逆流性食道炎を食事で改善胸やけ・呑酸を放置しない!35歳からの食生活改善法

逆流性食道炎を食事で改善胸焼け·呑酸を放置しない!35歳からの食生活改善法

逆流性食道炎の食事で重要なのは“消化”と“中和”

逆流性食道炎とは、胃液(胃酸)や胃の内容物が胃から食道へ逆流することで、胸やけや呑酸などの症状が現れる病気です。その発症については様々な原因が挙げられますが、共通して指摘されているのが胃酸の過剰分泌による胃酸過多です。この胃酸過多を改善するのに、最も重要で大前提となる方法が食生活の改善です。消化が良く、胃に長く留めさせない、また胃酸を過剰に分泌させない食事や、胃酸の中和効果がある飲み物を中心とした食生活が、逆流性食道炎を改善するキーポイントなのです。

“消化”の良さからみた食べてOKなものとNGなもの

胃酸の過剰分泌を抑えて食道粘膜を刺激しない食品は?

逆流性食道炎の改善のために食生活を見直す場合、ポイントとしたいのが「胃酸過多の解消」と「食道粘膜への刺激を避ける」という2点です。

 ①胃酸過多の解消 胃の中に食べ物が入ると、消化をするために胃酸が分泌されます。ところが、脂肪分やタンパク質の多い食品やチョコレートなどの甘いものなど、胃に長く留まるような消化の悪いものであった場合、消化を促すために胃酸が通常よりも多く分泌されます。これを続けると、胃酸過多となってしまうのです。そのため、胃酸過多の解消には消化の良いものを食べるのが良いとされています。

②食道粘膜への刺激を避ける 胃酸に対応している胃の粘膜と異なり、食道の粘膜は酸の刺激に弱く、不快な症状を起こしやすくなります。そのため、酸度が高い柑橘類やトマト、アルコール、酢の物などは控えるように勧められています。

積極的に摂りたいもの
少しは良いもの
さけた方が良いもの
穀類
白パン・粥・うどん 飯・マカロニ イモ類・モチ類・赤飯・玄米飯・ラーメン
魚類
白身魚(煮る・蒸す) 魚(赤身) 脂肪の多い魚(うなぎ)
肉類
鶏肉(煮る・蒸す) 牛・豚肉(脂肪が少ない肉) ハム・ベーコン・ソーセージ・脂身
豆類
豆腐・高野豆腐・きなこ やわらかい煮豆(皮をのぞく) アンコ・大豆、小豆など固い豆
野菜
やわらかく煮た野菜 とくになし トマトなど酸味が強い野菜・繊維質の多い野菜・香りの強い野菜・酢の物
果物
バナナ・白桃・缶詰 たいていの果物 夏みかん・レモン・干した果物

暴飲暴食、早食いは絶対にNG!食事の仕方にも注意を払おう

食事の内容とともに食生活の改善で注意していきたいのが、食事の仕方についてです。食べ方によっては、消化不良を起こしやすくなり、胃酸の分泌をさらに促進させてしまいます。

  • 良く噛んでゆっくりと食事をする食べ物を良く噛むことで、胃に入った時に消化がされやすくなります。
    また、時間をかけてゆっくり食べることで、胃に余分な負担がかからず、消化作業を妨げることがないとされています。反して早食いや暴飲暴食は、胃に大きな負担をかけ、消化のために胃酸が過剰に分泌されるため、絶対にNGな行為とされています。
  • 就寝前に食事はしない(食べた後すぐに寝ない)
    食後約3時間は、胃の内容物が逆流しやすいとされています。そのため、食後すぐに横になるのは、避けるようにいわれています。
  • 夕食の量を減らす
    就寝中に胃酸が過剰に分泌されてしまうと、横になっていることもあり逆流が起こりやすくなります。ですので、就寝中に胃の中に食べ物が残っていないような状態にすることが、就寝中の逆流防止に良いとされています。

家での食事はもちろん外食の際にも、以上のことを気をつけて食事をしていくことが、逆流性食道炎の改善には望まれます。また、手っ取り早い方法には、胃酸を中和させるために効果的な飲み物を摂る、というものもあります。

胃酸を“中和”されることに適した飲み物

食道粘膜を守るには、胃酸の刺激を和らげるのが効果的

食道や胃の内側は、臓器を保護する粘膜に覆われています。胃には元々食べ物を消化するための胃液(胃酸)が存在するため、胃を守る粘膜は胃酸の刺激に強い性質を持っています。しかし食道の粘膜は、本来なら胃酸にさらされることはないため、胃酸が持つ強烈な刺激に非常に弱くなっています。そのため、様々な原因で胃酸が食道へ逆流してしまうと、強い酸の刺激でダメージを受け、逆流性食道炎を発症させてしまうのです。症状の改善には胃酸の過剰分泌を抑えることが求められますが、逆流してしまう胃酸の刺激を和らげるのも効果的です。胃酸を薄めたり中和させられることが出来れば、食道粘膜への負担も少なくなり、ダメージを緩和させることが可能となります。その上で食事の改善などで胃酸の過剰分泌を抑えることで、食道の炎症が早く治まることが期待できるそうです。そんな逆流してしまう胃酸を中和するには、飲み物が大きな役割を果たしてくれます。

白湯
中和
危害 なし
温泉水
中和
制酸薬の主成分として使われている[※2]
成分:炭酸水ナトリウム
成分:メタケイ酸
危害 飲料の禁忌症なし
アルカリイオン水
中和
危害 なし
水素水
中和
危害 なし
牛乳
中和
高い効果があるかは明確にされていない[※1]
成分:カゼイン
危害 牛乳アレルギー
麦茶
中和
危害 なし
中和
危害
白湯
なし
温泉水
制酸薬の主成分として使われている[※2]
成分:炭酸水ナトリウム
成分:メタケイ酸
飲料の禁忌症なし
アルカリイオン水
なし
水素水
なし
牛乳
高い効果があるかは明確にされていない[※1]
成分:カゼイン
牛乳アレルギー
麦茶
なし

胃酸を中和させるのに適した飲み物とは

逆流性食道炎の緩和のために、胃酸の強い酸性の刺激を中和させるには、上の表にあるような飲み物が有効であるとされています。特に温泉水(炭酸水素塩水)には、胃酸の中和と胃腸の働きを整える効果効能が期待できるとされていますので、逆流性食道炎の改善には最も適した飲み物と言えます。また、白湯など温かい飲み物は内臓があたたまり消化不良を改善する働きがあり、胸やけ症状がひどいときや寝る前などに飲むと、症状の緩和や予防に効果的です。反対に、飲むと症状を悪化させてしまう危険性があるのが、カフェインを含むコーヒーやお茶、アルコール類、柑橘系のジュース、炭酸飲料が挙げられています。嗜好品として日常的にこれらを飲む習慣がある人は多いですが、胃酸の分泌の促進や食道粘膜への刺激となってしまう可能性が高いのです。胸やけなど逆流性食道炎の症状がある場合は、飲むのを極力控えるようにしましょう。

食事療法とセットで行いたい生活習慣改善

一緒におこなうことで改善効果アップ!

逆流性食道炎による不快な症状をコントロールし、QOLの改善をおこなっていくには、食事療法と生活習慣の改善は切っても切れないものです。なぜならば、1つを改善してももう1つがそのままだと、逆流性食道炎を起こす要因が残されますので、症状の改善が遅れてしまうからです。だからこそ、どちらか1つをおこなうのではなく、一緒におこなうことで改善効果は非常にアップしますし、とても多いとされる症状の再発予防にも高い効果が期待できるのです。

手軽続けられること大切

症状の改善は長期戦・対策は続けられるものを

逆流性食道炎は、非常に再発しやすい病気ということでも知られています。一時的に胸やけなどの症状が出なくなっても、しばらくしてまた症状がぶり返し再発することは決して珍しいことではないのです。ですので、症状が改善して食べられるものが徐々に増えてくるまでは、食事の管理を油断なく続けていく事が大切となります。しかし、あまり厳格な食事制限はQOL(クオリティーオブライフ)の低下にも繋がります。比較して飲み物の改善は、非常に手軽でかつ続けやすいという点で、有効な改善法と言えます。

逆流性食道炎改善に
良い栄養素

逆流性食道炎の発症には、普段の食生活が大きく関係しています。そのため、改善にも食生活の見直しと改善が必須とされているのです。でも、どんな風に改善していったら良いのでしょうか。そこでここでは、逆流性食道炎の改善に良いとされる栄養素について、調べてみました。どんなものを摂取すべきなのか、その参考にしていただければと思います。

コンビニ
アレンジレシピ

食事を改善していくとして、全て自分で調理して食事を作っていく、というのは結構大変です。しかし、症状の改善のためには、続けていく事が非常に重要となりますので、できればコンビニなどのお総菜も活用して、手間を出来るだけ省いていくのも有効です。そこでここでは、逆流性食道炎の改善食として活用できる、コンビニアレンジレシピをご紹介します。

その他の改善法

逆流性食道炎の改善方法として、食事療法と生活習慣の改善が絶対に避けては通れないものとされていますが、その他にも有効な改善法がいくつかあります。例えば、専門の医療機関を受診することで処方される薬物療法や、手術、漢方を始めとする東洋医学なども、症状の改善に効果の期待できる方法です。ここでは、そんな食事療法以外の改善法についてご紹介しています。

逆流性食道炎とは

逆流性食道炎は、もともと日本人には少ない病気とされてきましたが、現在では患者数が増加傾向にあります。症状を改善するためにも、一体逆流性食道炎とはどんな病気なのか、その正しい情報を知っておくことはとても大切です。そこでここでは、逆流性食道炎のメカニズムや検査法、可能性のある合併症など、知っておきたい情報についてご紹介しています。

TOPへ